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富田川流域から日置川へ
長井坂(ながいざか) (すさみ町)

大辺路 長井坂

熊野古道大辺路で屈指の景観と往時のたたずまいを遺す長井坂は、国道42号沿いにある西浜バス停から東に入り、ゆるやかな坂を上ってJR紀勢本線と並行しながら9.和深川の里に至り、JRの双子山トンネル手前から坂越えが始まります。

幕末の国学者熊代繁里が「此坂もみちいとけはしく一里あまりがほど人家なし」と記しているとおり、現在も坂の終点のすさみ町見老津まで一軒の家もありません。ただ、西の上り坂、東の下り坂の勾配はたしかに急ですが、峠道は海の眺めがよく、勾配もゆるやかでほぼ平坦な道が続いています。

長井坂には山の尾根筋に10.段築(だんちく)という、独特の土木技法が用いられています。また、道沿いにはほとんど手付かずの自然林が残されており、さくさくと落ち葉を踏みしめながら心地よい散策が楽しめます。

ウバメガシなど海岸性常緑樹が覆う山の斜面の南側には、広大な太平洋の水平線と、本州最南端潮岬の半島が横たわっています。旅人は南紀の旅の道しるべとして、潮岬をまばゆさに目を細めながら眺めたことでしょう。

長井坂
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