職人が伝える!孫の代まで使える一生モノの「しゅろほうき」の魅力
和歌山県海南市。ここは、紀州漆器をはじめとする伝統工芸の街として古くから知られてきました。深海産業は、そんな伝統工芸品のひとつ「棕櫚(しゅろ)ほうき」を手がけています。今回は、工房のスタッフや職人とともに、棕櫚の魅力を深く紐解きます。

ナビゲーター:深海産業 津村(つむら)さん
和歌山県海南市で棕櫚ほうきを作っている深海産業の津村さん。深海産業は棕櫚縄を中心に緑化資材を扱う会社で、2020年から棕櫚ほうきを製作しています。職人が丹精込めて作る棕櫚ほうきの魅力をお伝えします。工房で作業をする職人さんや同じ街の工房まで知り尽くした津村さんに案内してもらいます。
1.孫の代まで使える!丈夫な棕櫚ほうき
細い隙間にも入る「しゅろほうき」 「しゅろは繊維が細かいので、フローリングの溝に入り込んでしまったホコリもバッチリ掻き出せます。」
見た目よりもやさしい掃き心地 「見た目は少しごわごわしているようにも見えますが、かなりコシがあって、しなやかで、見た目よりもやさしい掃き心地が特徴です。」
60年使えるほどの丈夫さ 「木の幹を守る皮の繊維を使っていますので、かなり丈夫で長持ちです。手入れをすることで50年、60年と長く使えます。」
ほうきの原料「棕櫚皮」。 「幹を覆っている皮の部分を使います」と説明する津村さん。幹から葉を落とした棕櫚の木は、幹に茶色の皮が何層にも重なり合って、幹を覆っています。もともと葉が生えていた部分を、ベリベリとめくると棕櫚皮の部分が出てきます。
工房について 「工房もオープンにしておりますので、気軽に職人に質問などお待ちしております。」
2.手作業でしゅろほうきを作る工房へ
しゅろほうきがどのように作られているか、職人さんたちにインタビュー。
【棕櫚ほうきの制作工程】 棕櫚の皮をほぐして、繊維にします。この棕櫚の繊維を、使える部分と使えない部分をより分けて、使う部分だけを取り出します。取り出した部分を束ねてほうきの芯の部品にする。その部品を組み立てたものを横につないでいくと棕櫚ほうきの形になっていきます。
玉の芯と呼ぶ、ほうきの芯になる部分を作ってる作業。「繊維がいかにまっすぐ長く保てるかに気を付けて、部品を作っています。」
「ほうきの芯を編む作業。」 「ほうきの部品となる玉を三つ編みしているところです。力がいります。音が出るぐらい強く編んでいます。三つ編み一つひとつに使う人への思いを込めています。」
「最後の組み立て作業」 「最終の組み立てをしているところです。左右のバランスを均等にするのが難しいですね。一方が太かったらもう一方がおかしくなりますし、全体のバランスが大事ですね。」
棕櫚ブラシ作り体験 工房では、棕櫚製品の制作体験を行っています。作る製品は、キッチン用のブラシ、卓上ほうきなど、家庭で使える製品となります。「職人がサポートしますので、小さいお子さんでも体験できます。棕櫚製品の製作を体験して、まず棕櫚に興味を持ってもらいたい。その中からいつか次の職人が出てきてほしい。職人が増えればこの産業文化も後世に残していけます。」
3.手作業で棕櫚たわしを作り続ける「中西富一工房」
この地域は古くからものづくりの街としても知られています。今も手作業で棕櫚たわしを作り続ける工房でも話を伺います。
大正11年創業の棕櫚たわし専門・中西富一工房 「大正11年創業の棕櫚たわし専門の工房です。曽祖父の代から続けて、私が今4代目です。古くから伝わる技術を使い、現在も手作業でたわしを作り続けています。」
棕櫚たわしの制作工程 伸ばして平らにした棕櫚を、機械で回転させ、らせん状に1本にまとめます。そのまとめたものを手で曲げ、ペンチなどで仕上げます。
棕櫚たわしの魅力。「天然の素材を使っているので、安心してお使いいただけます。野菜の泥を落としたり、ボディーブラシにしたり、さまざまな用途に使えます。ぜひ一度、直接触れて、試してほしいです。」
深海産業と併せて立ち寄りたい周辺のおすすめスポット
しゅろ工房を訪ねた後は、周辺の魅力的なスポットを楽しみましょう。
紀美野町と有田川町にまたがる生石高原 (おいしこうげん)は、ススキ草原が広がる絶景スポットです。四季折々に、360°の大パノラマの風景を楽しむことができますが、特にススキが黄金色に染まる秋には、多くの観光客が訪れます。
海南市の黒沢牧場 (くろさわぼくじょう)では、乳牛が放牧され、牛たちとの触れ合い、四季折々の草花、ショートコースのゴルフも楽しめます。搾りたての牛乳で作られた濃厚なソフトクリームもぜひ。
和歌山県の紀州漆器は、会津塗(福島県)山中塗・輪島塗(石川県)などと共に日本三大漆器のひとつ。海南市「黒江地区」は、紀州漆器の産地で、漆器蒔絵体験や町並み散策を楽しむことができます。






















