和歌山ラーメンの歴史・特徴を徹底解説&地元で愛されるお店13選
和歌山を訪れたら、ぜひ味わいたいご当地グルメ「和歌山ラーメン」。そのスタイルを生み出した和歌山市内では長く愛される老舗店や新たに登場したお店が、それぞれの味を極めて提供しています。和歌山ラーメンの歴史や特徴とともに、和歌山市内を中心に、各店の魅力を紹介します。

全国に名を馳せた「和歌山ラーメン」
現在では、先刻のご当地ラーメンに名を連ねる「和歌山ラーメン」。平成初期までその名称は存在せず、そのはじまりは昭和初期の屋台といわれ、地元和歌山では「中華そば」、もしくは「中華」という名称で長く親しまれてきました。
この中華そばが全国区となるきっかけは1998年(平成10年)1月、テレビ東京系のバラエティー番組「TVチャンピオン 日本一うまいラーメン決定戦」という番組でした。和歌山市の『井出商店』が“日本一うまいラーメン”に選出され、和歌山の味に注目が集まり、メディアにも広く取り上げられるようになりました。折しも、「札幌ラーメン」「博多ラーメン」「喜多方ラーメン」「旭川ラーメン」など、ご当地ラーメンブームの絶頂期。和歌山の中華そばも「和歌山ラーメン」の名で、ご当地ラーメンの一つとして紹介される機会が多くなりました。
同年10月、新横浜ラーメン博物館(神奈川県横浜市港北区)で「どないなんよ、和歌山ラーメン」の特別展が開かれ、和歌山市の人気店『井出商店』が翌年5月までのアンテナショップとして出店。当時の関東エリアでは和歌山ラーメンのお店があまり無かったこともあり、連日1~2時間の行列が発生しました。これが大きなニュースとなり、「和歌山ラーメン」の名称と味が、全国に広く知られるようになりました。
スープの種類は2系統あり?
新横浜ラーメン博物館での和歌山ラーメン特別展を企画した同館の広報スタッフ・武内伸さんは、98年初頭から幾度となく和歌山を訪れ、多くの店を食べ歩き、和歌山の中華そばには、2つの系統(車庫前系と井出系)があると結論づけました。
●車庫前系
1940年(昭和15年)に和歌山市高松付近で屋台を引き始めた『丸髙』がルーツとされています。当初は鰹節とジャコを醤油で炊いたものを出汁(だし)にしてスープを作っていましたが、戦後になって豚骨を使用して味が格段に良くなり、人気を博しました。
繁盛した『丸髙』を手伝った人やその味を習得した人たちが独立して屋台を引き始め、和歌山市内を走っていた市電(チンチン電車)の車庫前停留所(現在は和歌山バス「高松北」バス停)付近をはじめ、各停留所にも屋台が現れるようになりました。1971年(昭和46年)にチンチン電車は廃止され、屋台として始まった店のいくつかは和歌山市内各地で店舗として営業を続けています。
『丸髙』をはじめ、後述の『丸宮』『まるやま』『丸木』などが車庫前系に分類されることが多く(※)、醤油が主張するスッキリとしたスープが特徴です。
●井出系
氷の卸商(屋号=井出商店)を営んでいた井出つや子さんが、1953年(昭和28年)から中華そばを屋台で売り始めました。最初は他の屋台と同様の味でしたが、売れ行きが良くなかったそうです。もっとコクを出そうと強火で焚きこむなど試行錯誤を繰り返した結果、まろやかでコクがあり、とてもおいしいスープが出来上がりました。この味が大ヒットし、行列のできる店として有名になりました。
この味を目指した人たちや、『井出商店』で働いた人たちが独立し、“豚骨醤油”のコク深いスープが特徴のラーメンが広まりました。後述の『丸三』『正善』『丸田屋』『楠本屋』などがこれに分類されます(※)。
※いずれも醤油と豚骨は使っているので、「車庫前系」と「井出系」の明確な線引きは難しく、“スッキリ”や“コク深い”も個人の印象で異なります
和歌山ラーメン店の独特な食文化
時代とともに変化しており、和歌山ラーメンを出すお店は、以下の特徴が挙げられます。
①麺の1玉の分量は100~120gと少なめ
②その反面、スープは多め
※「中華そば」は夜に飲んだ後の締めの一杯という位置づけでした
③テーブルに「早なれ寿司」「ゆで卵」が置かれていて、好きなタイミングで食べていい
※麺の量が少ないので、補助的な役割を果たしています。一部の店では「おでん」も用意
④「なると」の代わりに「かまぼこ」が具になっていることが多い
※和歌山市は、かまぼこの名産地だからとの説があります
それでは、これら和歌山の味を今に紡ぐ、和歌山ラーメンのお店を紹介しましょう。
本家アロチ 丸髙中華そば(和歌山市)
時を超えて愛される定番の味
創業1940年。初代が生み出した和歌山の「中華そば」の味を、3代目が受け継いでいます。醤油で煮込んだ豚骨からとったスープは、すっきりとした中にも深いコクが感じられる逸品。じっくり煮込まれたチャーシューもまた美味。サイドメニューとして、ギョーザやおでんも用意されています。
所在地:和歌山県和歌山市友田町2-50
TEL: 073-432-3313
営業時間:17:30~深夜3:00
定休日:日・月曜日
井出商店(和歌山市)
「和歌山ラーメン」の象徴的な存在
じっくりと時間をかけて炊き出された豚骨と鶏がらのスープは、まったりコクのある味わい。柔らかめの細麺とよく絡み、ここにトロけるようなチャーシューが加わって、まさしく「The 和歌山ラーメン」の出来上がり。和歌山を訪れる観光客などで、連日行列ができるのも納得。店舗内に飾られた著名人のサインを眺めるのも楽しい。
所在地:和歌山県和歌山市田中町4-84
TEL:073-424-1689
営業時間:11:30~23:30
定休日:木曜日
駐車場:あり
丸木(マルキ)中華そば(和歌山市)
濃厚そうに見えるスープは実はいたって優しい
屋台からスタートして約70年。創業者の孫にあたるご主人が、伝統の味を守っています。丁寧な下処理によって生み出されるスープは、スッキリとクセがなく、全部飲み干したいほど。中華そば(普通サイズ1種類のみ)、さば寿し、たまごの3種類だけというシンプルなメニュー構成も特徴です。
所在地:和歌山県和歌山市和歌浦南1-1-3
TEL:073-447-9557
営業時間:17:00~23:00
定休日:月曜日、第3火曜日
駐車場:あり
中華そば専門 丸三(和歌山市)
安定感抜群! これぞ和歌山定番の味
県外客からも注目を浴びる、揺るぎない人気。豚骨醤油のコクとまろやかなスープは、まさに和歌山ラーメンの王道を行く味です。香味野菜を加え豚骨のクサミを押さえるなど、努力は惜しみません。その味が絡む細麺、適度に脂がのったチャーシューなど、完成された味わいに頬がゆるみます。
所在地:和歌山県和歌山市塩屋6-2-88
TEL:073-444-1971
営業時間:11:00~20:00(品切れ次第終了)
定休日:日曜日
駐車場:あり
まるやま 小松原店(和歌山市)
ストレート細麺とスープの見事なバランス
屋台から始まり、創業60年を数えても、昔から変わることのない豚骨醤油のスープ。見た目はこってりだが口にするとあっさり。ストレートの細麺とスープの絶妙なバランスを存分に楽しめます。おでんなどの単品メニューやセットメニューも充実。
所在地:和歌山県和歌山市小松原6-1-14
TEL:073-423-6071
営業時間:11:00~15:00、17:00~深夜1:30 ※土日祝は11:00~深夜1:30
定休日:月曜日(祝日の場合は営業し、火曜日休み)
駐車場:あり
中華そば 正善(和歌山市)
まろやかでクセのない一杯に称賛の嵐
強火で12時間以上じっくりと炊いた自慢のスープは、こってりとした色合いでありながら、まろやかでクセがなく多くの人に愛される味。豚骨だけでなく鶏がらも一緒に煮込むことで、甘みが出てすっきりとした味に仕上がるそう。「生卵入り」という他店のお店ではあまり見かけないメニューも。
所在地:和歌山県和歌山市直川612-1
TEL:073-461-1739
営業時間:11:00~21:00
定休日:木曜日、第3水曜日
駐車場:あり
元車庫前 丸宮中華そば本店(和歌山市)
自家製細麺とコクのあるスープのマッチング
1949年創業。国産小麦を使用した自家製細麺とコクのあるスープが絡み、喉越しの良さが好評。「餃子」「焼き飯」「唐揚げ」「酢豚」といった中華料理メニューが豊富で、お昼も夜も楽しい食卓に。
所在地:和歌山県和歌山市毛見1130-3
TEL:073-445-4881
営業時間:11:00~14:00(OS)、17:30~20:30(日曜は17:00~20:00)
定休日:月曜日(祝日の場合は昼営業し、翌火曜日休み)
駐車場:あり
中華そば 丸田屋(和歌山市・岩出市・白浜町)
和歌山の味を大切にしながら新スタイルを創造
ゆったりとした店内スペースで、正統派の和歌山中華そばを堪能できます。豚骨と鶏がらを8時間以上じっくりと煮込み、旨味・風味・コクが見事に引き出された逸品。スープによく絡むよう工夫された中細ストレート麺は、歯ごたえ良し、喉越し良し。味のバランスに優れた三元豚バラ肉のチャーシューも絶賛。
【岩出本店】
所在地:和歌山県岩出市中黒632-1
TEL:0736-63-1245
営業時間:11:00~15:00(OS14:30)、17:00~22:00(OS21:30)
定休日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
駐車場:あり
【次郎丸店】
所在地:和歌山県和歌山市次郎丸76-3
TEL:073-480-1245
営業時間:11:00~15:00(OS14:30)、17:00~22:00(OS21:30)
定休日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
駐車場:あり
【ぶらくり丁店】
所在地:和歌山県和歌山市北新5-35-1
TEL:073-423-1245
営業時間:11:00~15:00(OS14:30)、17:00~深夜2:00(OS1:30)
定休日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
駐車場:あり
【南紀白浜店】
所在地:和歌山県西牟婁郡堅田2498-1
TEL:0739-43-1245
営業時間:11:00~22:00(OS21:30)
定休日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
駐車場:あり
丸京 中華そば(和歌山市)
シンプルながらも奥ゆかしさを感じる一杯
現在はモダンな雰囲気の店構えになっていますが、創業約70年という歴史を持つ老舗。醤油で豚骨を直接煮込んだスープは、深いコクと旨みが際立つ“伝統の味”。テーブルには「中華そばのタレ」が用意されているので、お好みで濃さの調節ができます。
所在地:和歌山県和歌山市雑賀町120
TEL:073-423-5754
営業時間:11:00~14:00、16:00~21:00
定休日:木曜日
山為食堂(和歌山市)
濃厚なスープに虜(とりこ)になる人が多数
大衆食堂ながらも、「ここの中華が一番や!」と支持する人も多い“ドロッと系”の一杯。厳選された良質な豚骨をじっくり炊き込んだ濃厚スープは、やや太めの麺と絶妙に絡み、至福の味わい。とろける食感の自家製のチャーシューやスープと共に食べるご飯もファンが多く、「中華とライス」の注文がベター。
所在地:和歌山県和歌山市福町12
TEL:073-422-9113
営業時間:11:00~17:00
定休日:日曜日、祝日
駐車場:あり
ラーメン まるイ(和歌山市)
ネギに覆われた名物ラーメン
器一面を覆い尽くすネギに注目されることが多いですが、ベースは王道の和歌山ラーメン。濃厚な豚骨醤油だからこそ、ネギまみれでも風味が損なわれず、ネギのシャキシャキ食感が“和歌山伝統の味”に小気味よいアクセントを加えています。
【中之島店(アロチ)】
所在地:和歌山県和歌山市中之島2323
TEL:073-427-2662
営業時間:18:00~深夜1:00
定休日:日曜
【十二番丁店】
所在地:和歌山県和歌山市十二番丁87 ル・シャトー十二番丁1階
TEL:073-425-6678
営業時間:11:00~21:00(日曜日は17:00まで)
定休日:無休
駐車場:あり
中華そば 楠本屋(海南市)
こだわりのスープと細麺の絡みが絶妙
国産豚のげんこつと鶏ガラをしっかりと下処理し、長時間炊き込んだ特製スープに和歌山の醤油を合わせたスープ。クセがなくまろやかな仕上がりで、細い麺がよく絡み、つるつるっと食が進みます。数量限定の「ねぎそば」がおすすめで、チャーシューの切れ端が入り、上にはネギがたっぷり。
所在地:和歌山県海南市船尾257-9
TEL:073-482-1661
営業時間:11:00~23:00
定休日:木曜日
駐車場:あり
中華そば 速水(新宮市)
紹介したお店をmapで見る
- 本家アロチ 丸髙中華そば
- 井出商店
- 丸木(マルキ)中華そば
- 中華そば専門 丸三
- まるやま 小松原店
- 中華そば 正善
- 元車庫前 丸宮中華そば本店
- 中華そば 丸田屋 岩出本店
- 中華そば 丸田屋 次郎丸店
- 中華そば 丸田屋 ぶらくり丁店
- 中華そば 丸田屋 南紀白浜店
- 丸京 中華そば
- 山為食堂
- ラーメン まるイ 中之島店
- ラーメン まるイ 十二番丁店
- 中華そば 楠本屋
- 中華そば 速水
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