熊野古道紀伊路 ロングトレイルの歩き方 8日目 南部駅~紀伊田辺駅(総歩行距離:9.9km)

いよいよ紀伊路歩きの最終日です。今まで歩いてきた道中を振り返りながら、残りの旅の安全を鹿島神社で祈ります。みなべの町に別れを告げ、芳養王子を参り、田辺の町中へ入ります。潮垢離浜の記念碑に立ち寄った後は、出立(でたち)王子へ。海水に身を浸して身を清めた潮垢離の儀式が行われた地に別れを告げ、会津川を渡り、中辺路と大辺路の分岐点にあたる道分け石で長かった紀伊路の旅路は終わりを迎えます。最後は少し足を伸ばして、南方熊楠の眠る古刹の高山寺、熊野の神々を祀る世界遺産の鬪雞神社で無事に踏破できたことを伝えると良いでしょう。

南部駅(みなべえき)

↓0.8km↓

鹿島神社(かしまじんじゃ)

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奈良時代より前に、常陸国(茨城県)の鹿島神宮から勧請されたと伝えられます。かつては、みなべ町の沖に浮かぶ信仰の島、鹿島に鎮座していましたが、明治42年(1909年)に現在地に移されました。本殿は三鍋(みなべ)王子の社殿であったものを移築しています。

↓4.4km↓

芳養大神社(はやおおじんじゃ)・芳養王子(はやおうじ)

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天仁二年(1109年)の『中右記』には「早王子」、建仁元年(1201年)の藤原定家は「ハヤ王子」の名で登場し、江戸時代の『紀伊続風土記』では「若一(にゃくいち)王子社」の名で書かれています。その後、明治5年(1872年)に周辺の神社ととともに合祀され、現在の社名となりました。平成30年(2018年)に「芳養王子跡」として国指定史跡となっています。
※熊野古道紀伊路押印帳のスタンプポイント

↓2.4km↓

潮垢離浜跡(しおごりはまあと)

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中辺路に向かう前に、浜で海水を浴び、穢れを払った潮垢離。この儀式は重要なものとされ、藤原定家が体調を崩して潮垢離を辞退したところ、後鳥羽上皇に叱責され、病を押して潮で身を清めたとのエピソードも。この一帯は出立(でたち)浜と呼ばれていましたが、現在は浜は埋められ、児童公園の一隅に記念碑が立っています。

↓0.5km↓

出立王子(でだちおうじ)

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天仁二年(1109年)の『中右記』では「田之陪(たのべ)王子」とあり、建仁元年(1201年)の藤原定家は「出立王子」の名を記しています。出立の名の由来はこれより紀伊路から中辺路と呼ばれる参詣道に入り、熊野三山へ向かう出発の地であるからと推測されています。その後、「若一(にゃくいち)王子社」と呼ばれる時期もありましたが、明治40年(1907年)に八立稲(やたちね)神社に合祀されました。

↓1.0km↓

道分け石(みちわけいし)

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聖地への入り口、“口熊野”と呼ばれる田辺。駅前の商店街に時を超えて今も立つ道分け石は、大辺路と中辺路の分岐点を示します。高さ218cm、幅約30cmの角柱で、安政4年(1857)に建立。和歌山方面から見ると「左り くまの道 すくハ大へち」、中辺路方面からは「右きみゐ寺」と参詣道の行く先が刻まれています。「すく」とは真っすぐの意。

↓0.6km↓

紀伊田辺駅(きいたなべえき)

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周辺には数多くの宿や食事処が並び、熊野三山を目指す中辺路の玄関口ともなっている駅のため、国籍を問わず、熊野古道歩きを目的とする多くの方で賑わう場所です。駅横には観光案内所もあるので、次なる古道歩きの情報収集のために立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

特産品情報

紀州備長炭(きしゅうびんちょうたん)

和歌山県の県木であるウバメガシを原料に作られる固くて良質な白炭で、主に高級料亭などで使われています。和歌山県はその紀州備長炭の発祥の地で、年間約1,200トンを生産し、日本有数の白炭の生産量を誇っています。紀州備長炭の製炭技術は和歌山県の無形民俗文化財に指定され、現在は「紀州備長炭技術保存会」により、その技術の継承にあたっています。

梅酒(うめしゅ)

南高梅をはじめ、さまざまな梅が栽培されるみなべと田辺では、大手酒造メーカーだけでなく、地元でも個性豊かな梅酒を製造しています。食前酒としてロックや水割りでいただくだけでなく、食後にゆっくりと味わうのもおすすめです。「和歌山梅酒」は、2020年、酒類の地理的表示(GI)の指定を受けました。リキュールでは全国初の指定です。

モチガツオ

モチガツオという特別な種類というわけではありません。身に脂肪分が少なく、弾力がありモチモチッとした食感のカツオで、獲ったその日でないと食べられません。とはいえ、見ただけでは判別できず、漁業や飲食店の関係者も身を切ってみないとわからないと口をそろえる超レアモノ。タタキではなく刺し身で食べる、紀南地域ならではの特別な味覚です。見かけたらぜひご注文を!

紀州いさぎ(きしゅういさぎ)

紀州いさぎとは、手釣りにより漁獲し田辺漁港で水揚げ直前に一尾ずつ活け締めした高鮮度なブランド魚。新鮮だからクセがなく、刺身はもちろん、塩焼きや煮付け、カルパッチョなど、和・洋・中、何にでも向く万能で非常に美味しい白身魚として人気です。

ひろめ

田辺湾にしか自生しないひろめはワカメと同属の海藻です。12月から2月頃に収穫され、やわらかくてとろみがあり、シャキシャキとした独特の食感と歯ごたえが特長です。湯にひたした瞬間、鮮やかな緑色に変わったときが食べ頃といわれています。しゃぶしゃぶや酢のもの・鍋物・水煮など様々な料理で楽しんでいただけます。

ちょっと寄り道

天神崎(てんじんざき)

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田辺湾に突き出た岬に、森と磯、海が一つとなった生態系を生み出し、多様な海洋生物や野鳥、昆虫類が生息します。自然環境の保護を目的としたナショナルトラスト運動の先駆けの地としても有名。潮位のタイミングで潮だまりに空や周囲の景色を鏡のように映し出す、南米ボリビアのウユニ塩湖のような絶景が撮影スポットとして話題に。

高山寺(こうざんじ)

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聖徳太子の草創で、弘法大師により中興された古刹。境内には江戸時代建立の美しい多宝塔をはじめとした諸堂宇が立ち並びます。縄文時代早期の貝塚も発見されていて、出土した土器は「高山寺式土器」と名付けられました。海が見える墓地には、博物学者の南方熊楠や合気道の開祖・植芝盛平など、熊野ゆかりの偉人が眠ります。

鬪雞神社(とうけいじんじゃ)

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創建は419年と伝わり、熊野三山の別宮的存在として熊野信仰の一翼を担っていました。社名は武蔵坊弁慶の父といわれる熊野別当・湛増(たんぞう)が、壇ノ浦合戦の勝敗を占うために鶏合せをしたという故事に由来します。世界遺産にも登録されており、境内の一角にはその様子を再現した湛増と弁慶像があります。社務所には源義経が奉納したといわれている笛や、弁慶産湯の釜等の宝物が展示されています。

味光路(あじこうじ)

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JR紀伊田辺駅前に広がる飲み屋街。狭い路地が入り組む約200m四方のエリアに、品の良い割烹から昔ながらの居酒屋、お洒落なバーまで200軒もの飲食店が並びます。新鮮な魚介類や熊野牛など、山海の幸に恵まれた南紀のうまいもんを肴に、地元の人と肩を並べて銘酒に舌鼓。田辺の味や人とふれあって、旅の疲れを癒やしては。

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