和歌山城は、1585年に築かれた城郭で、1619年から紀州徳川家の居城となりました。和歌山県北部を流れる紀の川の下流域は城下町として繁栄しました。
西の丸は、藩主が能や茶道を楽しむ場所とされ、庭園は江戸初期に築かれた大名庭園です。虎伏山の急峻な斜面を利用し、滝石組を中心に多くの立石を据え、豪快に作庭された池泉回遊式庭園で、秋の紅葉が見事なことから「紅葉渓庭園」とも呼ばれます。
養翠園は、紀州徳川家第10代藩主の治寶(はるとみ)公により造営された大名庭園です。約33,000㎡におよぶ広大な敷地に、海水を取り入れた汐入りの池と松を中心とした植栽を配置している全国的にも珍しい庭園です。四季折々の花木が訪れる人々に季節を感じさせてくれます。
庭園内には、御茶屋「養翠亭」があります。建物内に、御座の間や全国でここだけの左斜め登り御廊下があり、往時の姿を留めています。
「番所の鼻」と呼ばれる海に長く突き出た地形で、ペリーの黒船来航を機に本格的に海防に取り組んだ紀州藩により、太平洋から大阪湾へと続く紀伊水道を望む遠見番所が設けられました。
切り立った断崖の眼下には真っ青な海が広がり、遠くは四国や淡路島まで眺望できる景勝地です。大芝生の庭園内では、バーベキューやヨガを楽しむことができるほか、結婚式などイベントにも利用することができます。
根來寺は、高野山で真言密教を修めた覚鑁(かくばん)上人によって開かれた新義真言宗の総本山で、開山以来、約900年の歴史と伝統を誇ります。
広大な境内は、四季折々の変化に富み、中世の佇まいを残します。和歌山県随一の桜の名所として名高く、春には多くの花見客で賑わいます。
江戸初期に作庭された庭園は、紀州徳川家の江戸城別邸を移築した書院「名草御殿」に面しており、山畔の地形を活かした池泉式蓬莱庭園と枯山水とで構成され、格式ある寺院に相応しい清浄感漂う庭園です。
粉河寺は、西国三十三所観音霊場の第三番札所であり、観音信仰の聖地として参拝客を迎えてきました。
奈良時代後期、猟師・大伴孔子古(おおとものくじこ)によって開かれたと伝わり、この地で千手観音の化身である童男行者に出会った物語が国宝「粉河寺縁起絵巻」に記されています。
桃山時代に作庭された大規模な枯山水庭園は、本堂前の石段を挟んで東西に分かれた段差を利用し、紀州産の名石とソテツ・サツキ類が豪快に組み合わされています。他に類例がない石庭で、西国三十三所で最大とされる本堂と織りなす景色は壮観です。
南北に伸びる和歌山県は、海・山・川に恵まれ、世界遺産をはじめとする歴史的観光スポット、レジャー、温泉、グルメといった旅の醍醐味にあふれた県です。
季節によって、さまざまな体験ができるのも特徴で、気候の落ち着いた春・秋は、熊野古道ウォーキングやサイクリングがオススメです。夏はウォーターアクティビティに挑戦したり、「那智の扇祭り」など歴史ある祭りも見逃せません。冬は温泉で体を癒し、この時期しか味わえないグルメも堪能しましょう。
まずは、和歌山の基礎知識をご紹介します。
大阪に近い和歌山市は、江戸時代の史跡や日本らしい名勝地を楽しめます。海の幸や和歌山グルメも人気です。
真言宗の総本山「高野山」エリアは、豊かな自然と荘厳な寺院が共存する厳かな雰囲気が漂います。
県央に位置して、海と山の恵みを受ける風光明媚な土地です。特産品のみかんやクエなどの食も満喫できます。
関西を代表するマリンリゾートです。レジャーのほかに、太平洋の偉大さを感じる絶景スポットも楽しめます。
大自然のパワーあふれる世界遺産「熊野古道」と「熊野三山」を含み、歴史ある温泉も名物のひとつです。