熊野古道中辺路 ロングトレイルの歩き方 3日目 近露王子〜熊野本宮大社・大斎原(総歩行距離:25.7km)
宿場町・近露を後にし、熊野詣の最初の目的地である熊野本宮大社を目指します。「熊野三山を参ることで過去・現在・未来の安寧を得ることができる」とされていますが、熊野本宮大社は「未来」を司る聖地。参ることで未来のご加護が得られるとされています。この日は距離が長く複数の峠を越えながら歩く厳しい一日となりますが、その分熊野本宮大社に到着したときの喜びは格別なものになるはずです。
小広王子までの約7kmは舗装路が続きますが、以降は一転して深淵な山の中へ。 途中の岩神峠は、2025年に14年ぶりに通行止めが解除された道。再生した古道の息吹を感じながら歩き、三越峠ではちょっと一息して昼食休憩を。その後、下り基調の道を4kmほど進むと、五躰王子の一つ発心門王子に到着。発心門王子は熊野本宮大社の神域の入口。ここから熊野本宮大社までは「中辺路のゴールデンコース」と呼ばれるほどの人気コースです。たくさんの見所を経ていよいよ熊野本宮大社へ。熊野本宮大社の旧社地である大斎原(おおゆのはら)へも忘れず参拝に行きましょう。
参拝後は、ぜひ温泉宿へ。この地は「熊野本宮温泉郷」と呼ばれ、「川湯温泉」「湯の峰温泉」「渡瀬温泉」という3つの温泉地が集まる場所です。かつての熊野詣でも湯垢離場(ゆごりば)として栄えた由緒ある温泉郷で旅の疲れをたっぷり癒してください。
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- 春
- 夏
- 秋
- 冬
- 所要時間
- 1日
- 移動手段
- 徒歩

比曽原王子
旧国道の左上手に享保8年(1723年)に紀州藩が建てた結晶片岩の石碑があり、碑面に「比曽原王子」の文字があります。
野中の清水
全国名水百選にも選定されている 野中の清水。
継桜王子に向かう前に、道を外れ少し下るので寄り道する形になりますが、ぜひお立ち寄りください。
継桜王子(つぎざくらおうじ)
昔の王子社を偲ばせる荘厳さを保っている王子の一つ。
王子社名の初見は、『熊野御幸記(くまのごこうき)』ですが、天仁2年(1109年)の『中右記』に「道の左辺に続桜樹あり、本は檜(ひのき)なり」と記されており、この時には既に王子社があったと考えられています。
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とがの木茶屋
継桜王子跡の横にある、かやぶき屋根が特徴の休憩所です。
こちらでほっこり一休みしてみてはいかがでしょうか?

中川王子
王子社の祠は早く退転していたようですが、明治時代にはまだ約100平方メートルの社地があり、無格社中川王子神社として認められていました。
明治41年(1908年)に近野神社に合祀され、神社はここから消滅したとのことです。
小広王子
小広王子を越えると、三越峠までは、草鞋(わらじ)峠と岩上峠(現在通行止めで迂回路を進みます)の2つの峠を越える必要があり、アップダウンが激しくなります。体力と足元には十分注意して進みましょう。
また、小広王子を過ぎると、案内板に沿って舗装路から離れて林の中を下りますが、すぐに舗装路に合流し、合流したところにトイレがあります。
この先しばらくトイレがないので、ここで済ませておきましょう。
能瀬川王子
熊瀬川王子の名は、鎌倉時代末期の「熊野縁起」にのみ見えます。
熊瀬川の地名は、草鞋峠の登り口付近一帯を指すため、王子跡はこことするのが妥当ですが、その他の文献には見えないので、小広王子と同じとする意見や王子社の存在そのものを疑問視する意見もあります。
岩神王子
令和7年10月に、14年ぶりに岩神峠ルートが開通し訪問することができるようになった王子。平安時代の貴族の日記「中右記」にも「石上」(いわがみ)とその名前が紹介されています。
湯川王子
湯川王子は、岩神峠のふもと、湯川川の源流域の谷間にあり、参詣の途上で宿泊や休憩をすることが多く、皇族・貴紳の宿所が設けられていました。
現在の社殿は昭和58年(1983年)に再建されたものです。
三越峠
トイレと東屋がありますので、こちらで一息つくことが可能です。
船玉神社
三越峠から猪鼻王子に向かい、赤木越えの分岐点を過ぎたところに船の神様を祭った船玉神社があります。
なお、トイレは船玉神社の手前、赤木越えの分岐点のところにあります。
猪鼻王子(いのはなおうじ)
船玉神社を越え、林道から分岐して右下へ下った場所にある王子です。
道標に気付かず、林道をそのまま真っすぐ過ぎてしまわないよう注意してください。
発心門王子(ほっしんもんおうじ)
発心門王子は数ある王子社の中でも特に格式の高い「五躰(ごたい)王子」の一つとして格別の崇敬を受け、ここからが熊野本宮大社の神域とされた場所です。
天仁2年(1109年)の『中右記』にも発心門王子のことが記されており、この頃にはあったと見られています。
参道の奥に石積みの社殿跡があり、近年ここに王子社が新たに造営されました。
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発心門王子バス停
発心門王子から5分ほど下ると発心門王子バス停があります。
バス停にはトイレや東屋、自動販売機などもありますので、小休憩するにはぴったりです。

水呑王子
もとは三里小学校三越分校の敷地であったところに「水呑王子」と刻まれた緑泥片岩の碑が立っています。
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道休禅門
水呑王子から伏拝王子までの道中にある道休禅門(どうきゅうぜんもん)。
当時、熊野詣は命がけの旅であり、道半ばで行き倒れた参詣者もいたことから、その方々の供養のため建てられたお地蔵様が道休禅門地蔵です

伏拝王子(ふしおがみおうじ)
遠く海山を経て全国各地から訪れた熊野詣の人々が、ここに辿り着き、山並みの向こうに初めて熊野本宮大社(現在の大斎原(おおゆのはら)) を望んだとき、思わず土下座して伏し拝んだといわれたところからその名がつきました。
また、王子前には「伏拝茶屋」という無料休憩所があり、ドリンクや軽食、簡単なお土産の販売などもしています。トイレもありますので、ここで一息ついてはいかがでしょうか?
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ちょっと寄り道展望台
伏拝王子から祓殿王子までの道中に展望台があり、そこからは大斎原の大鳥居が望めます

祓殿王子(はらいどおうじ)
熊野本宮大社の直前にある王子で、ここで旅の汚れを祓い清めるための潔斎(けっさい)をして、本宮の神前へ参拝する覚悟を新たにする所であったといいます
熊野本宮大社
古式ゆかしい雰囲気が漂う聖地
ユネスコの世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』に登録されている熊野本宮大社。神秘的な力を感じることのできる熊野三山の一つで、かつては熊野の神といえば本宮のことを表しているとされてきました。
一歩足を踏み入れると、自然の息吹と歴史の重みがゆったりとした時間の流れとともに感じられます。桧皮葺で白木造りの社殿は国の重要文化財に指定され、主祭神である家都美御子大神(けつみみこのおおかみ、スサノオノミコト)が祀られており、毎年多くの参拝者が訪れます。
宝物殿には、国指定重要文化財の「鉄湯釜」をはじめとする貴重な宝物が収蔵されており、歴史を感じさせます。また、熊野信仰の象徴である八咫烏(やたがらす)をデザインモチーフにした瑞鳳殿には茶房やカフェ、土産店などが併設されており、参拝の後にゆっくりと一息つくのにも最適です。
- 住所
- 田辺市本宮町本宮
- 電話番号
- 0735-42-0009
- 営業時間
- 8:00~17:00
和歌山県世界遺産センター
紀伊山地の霊場と参詣道について、深く学べる施設
熊野本宮大社の近くに位置する、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」を詳しく紹介・発信する施設です。展示空間は紀州材をふんだんに使用し、杉木立をイメージしたデザインで「高野・熊野」の自然観を表現。「熊野三山」「高野山」「参詣道」など、全体像を俯瞰できるランドサットマップ(衛星地図)を用いて、それらの魅力を一元的に発信しています。 交流スペースでは、60インチの3面マルチスクリーンによる迫力ある映像で、世界遺産と和歌山県の魅力を紹介。深い情報収集や知的交流の場として活用されています。多彩なイベントも開催され、紀伊山地の霊場と参詣道について深く学ぶことができるのも魅力です。
- 住所
- 田辺市本宮町本宮100-1
- 電話番号
- 0735-42-1044
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 定休日
- 無休
旧社地・大斎原(おおゆのはら)
明治22年(1889年)の大洪水まで熊野本宮大社のあった旧社地。神が舞い降りたという大斎原は、近年ではパワースポットとして人気を集めています。
シンボル的存在の大鳥居は、高さ約34m、幅約42mと見るものを圧倒する迫力があります。
本日の宿泊
熊野本宮大社周辺には「湯の峰温泉」、「川湯温泉」、「渡瀬温泉」という3つの趣向の変わった温泉及びお宿がありますので、詳細は下記リンク先等をご参照ください。




















