わかやま記紀の旅 名湯を広めた皇子の知られざる悲劇

飛鳥時代の皇族で、牟婁[むろ]の湯(白浜温泉)を称賛し、広めたとされる有間皇子[ありまのみこ]。19歳という若さで世を去ることになったその儚い人生は、始まりから悲しいものでした。

皇極[こうぎょく]天皇4年(645)の乙巳[いっし]の変で、中大兄皇子[なかのおおえのおうじ](のちの天智[てんぢ]天皇)が中臣鎌足[なかとみのかまたり]らとともに、権力者だった蘇我蝦夷[そがのえみし]・入鹿[いるか]父子を滅ぼします。皇極天皇はこの件で皇位を弟に譲り、孝徳[こうとく]天皇が即位。また、大化の改新を主導した中大兄皇子は皇太子となり、政治の実権を握ることとなるのでした。
孝徳天皇は都を難波長柄豊碕[なにわながらとよさき]の宮に遷しますが、8年後の白雉[はくち]4年(653)、中大兄皇子は都を飛鳥に戻すことを孝徳天皇へ進言。しかし聞き入れてもらえなかったため、中大兄皇子は孝徳天皇を残し、皇后やその他大勢を連れて飛鳥へ戻ってしまいます。孤立した孝徳天皇は打開策に悩み苦しみ、1年後に崩御されたのでした。この時、孝徳天皇の子・有間皇子はまだ6歳でした。そこで孝徳天皇のあとは皇極天皇が再び皇位につき、斉明[さいめい]天皇として政[まつりごと]を行います。皇太子の中大兄皇子にとって、聡明な有間皇子も天皇の子であり、皇位継承の最大のライバルでした。
しかし、有間皇子は争うことを嫌い、自らを病であるように装いました。斉明天皇3年(657)、有間皇子は牟婁の湯に出かけ、そのよさを斉明天皇に報告します。「あのあたりの風光に接しただけで病気が癒されました。天皇もお出かけになられてはいかがですか」と。少し前に孫を亡くし、悲しみに暮れていた斉明天皇は大いに喜び、翌年に中大兄皇子らを連れて牟婁の湯へ行幸しました。

事件はその留守中に起こります。蘇我入鹿の従弟・蘇我赤兄[あかえ]が有間皇子邸を訪れ、謀反をそそのかしたのです。あろうことか有間皇子はその言葉を信じてしまい、翌日には赤兄邸を訪問。ともに謀議したはずの赤兄の兵に捕らえられてしまいました。赤兄と中大兄皇子は裏でつながっていたのでしょう。
牟婁へ護送された有間皇子を待っていたのは、中大兄皇子による尋問。なぜ謀略を企てたのかとの問いに、「天と赤兄が知っている、私は何も知らない」とだけ答えた有間皇子。その後、都へ送られる途中、藤白坂(海南市藤白)で絞殺され19歳という短い生涯を終えたのでした。

[白浜町]有間皇子が湯浴みをした 日本三古湯のひとつへ

有間皇子之碑[ありまのみこのひ]

有間皇子之碑

温泉地の中心部に立つ

日本三古湯として古くから世に知られる白浜温泉だが、きっかけとなったのは、有間皇子が斉明天皇に温泉地のよさをすすめたという故事による。その功績を称える顕彰碑が白浜の中心地・白良浜近くに建てられており、悲劇の皇子は町の恩人として、今もこの地では大切な存在とされている。

TEL:0739-43-6588(白浜町観光課)
住所:白浜町白良ヶ丘
見学自由
駐車場:なし(近隣に有料駐車場あり)

熊野三所[くまのさんしょ]神社

熊野三所神社

御神体を模した「玉座石」が本殿横に

有間皇子にすすめられて白浜へ行幸した斉明天皇が立ち寄った際に座ったと伝わる「斉明石」が御神体。斉明天皇以後、持統[じとう]天皇や文武[もんむ]天皇をはじめとした多くの皇族や貴族が訪れている。県の天然記念物に指定されている社叢[しゃそう]の森は、波音がこだまする心地よい空間。

★スタンプ設置ポイント
TEL:0739-43-0558
住所:白浜町744
参拝自由
駐車場:正面鳥居手前右側50m先の月極駐車場内に数台駐車可能

湯崎温泉碑

湯崎温泉碑

白浜温泉の成り立ちを知る

かつて牟婁の湯と呼ばれていた白浜温泉は、当初海岸沿いにいくつもの温泉があったという。その後湯崎温泉と呼ばれるようになり、明治時代になると「湯崎七湯」といわれる7つの温泉が人気を集めた。その歴史やいわれを記載した碑が、「湯崎七湯」のひとつだった礦湯源泉近くに建てられている。

TEL:0739-43-6588(白浜町観光課)
住所:白浜町礦湯
見学自由
駐車場:なし(近隣に有料駐車場あり)

藤白[ふじしろ]神社

藤白神社

悲劇の皇子・有間皇子も祀る

有間皇子が19歳という短い生涯を終えた藤白坂の入口にあり、斉明天皇が牟婁の湯へ行幸した際に祠を建てたと伝わる地。境内には有間皇子神社があり、「有間皇子まつり」が毎年11月11日に開催されます。境内には有間皇子を偲ぶ万葉歌碑も立っており、熊野へ入る一の鳥居と称されます。

TEL:073-482-1123
住所:海南市藤白448
参拝自由
駐車場:50台

スタンプ設置ポイント周辺のおすすめスポット

潮風香る絶景露天風呂

「湯崎七湯」のうち、当時から変わらない風情が残っているのが、海にせり出した崎の湯。1000年以上の歴史があり、潮の香りと目前の太平洋の眺望で、まるで海に浸かっている気分に。

TEL:0739-42-3016
住所:白浜町湯崎1668
料金:3歳以上500円
時間:8〜18時(10〜3月は〜17時、7・8月は7〜19時)
定休日:無休(メンテナンスによる臨時休業あり)
駐車場:15台

ふわふわの食感のとりこに

白浜銘菓「かげろう」で知られる福菱の本店に併設のカフェ。ここだけで食べられる生かげろう(1個100円〜)のほか、ランチなども充実。

TEL:0739-42-3129
住所:白浜町1279-3
時間:8〜18時(季節により変動あり。モーニングは〜10時30分)
定休日:無休(臨時休業あり)
駐車場:20台(第2駐車場あり)

紀州の海鮮をじっくり堪能

太平洋と大阪湾がぶつかる紀伊水道ならではの旬の魚介が存分に味わえると評判の店。ランチには、数量限定の特製日替わりちらし寿司(2090円)がおすすめ。

TEL:0739-42-4027
住所:白浜町1405-15
時間:11〜14時、17〜22時(21時30分LO)
定休日:火曜
駐車場:8台

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